はじめに

全てのツールを紹介できないのが残念ですが、これまでに作成してきたツールで、他の会社でも役に立つと思われるものの中から、いくつかご紹介します。
(全てのツールは手元にないので、後日イメージ図を作成したいと思います。)

生産管理システム(Access)

食品製造工場向けに作成したAccessアプリケーションです。
この工場では 毎日仕込み釜で生産される調味料や調理済み味噌を、搬送パイプを通して充填機に送り小袋に小分けして製品化してます。
ツールの主な機能として、
①仕込みレシピの重量と実際に充填して出来上がった製品の重量とを比較し、どれぐらいのロスが生じているのかを重量比率でチェックする。
②製品に問題があったことが発覚した場合、その日の機器ごとの製品ロットや、使用している原材料のロットがどの製品ロットに使われているかのチェック。
また、どのお客様へ出荷されたのかチェックも可能。(販売管理システムとの連携)
③製品の細菌検査の記録の参照。

などを管理するツールとなってます。
工場がISO9000を取得する際に作成したもので、主に製品・原材料のトレーサビリティを担保するためのものです。

簡易オーダーシステム(PDA+eVB & Access)

レジャー施設内の喫茶ブース用に作成したもので、昔ファミレスなどで使われていたハンディターミナルの簡略版といったところです。
当時はまだスマートフォンがなかったので、小型の携帯端末と言えばPDAかWindowsCE機でした。
ここでは当時人気の東芝製PDAを使って作成しました。
使い方は至ってシンプルで、運用としては
①オーダーの際はまずテーブル番号を入力して、飲み物のメニューが割り当てられたボタンを押す。
②オーダーは無線LANでブースにあるPCに接続されたレシートプリンタに出力される。(レシートは2枚出力され、1枚がブースの控え、1枚が配達確認用)
③ブースではオーダーレシートを見て、飲み物を用意する。
④販売スタッフはテーブル番号を確認し、お客様へ運ぶ。
⑤集計機能は、スタッフ別の売り上げ、 メニュー別、日別、月別、拠点別、といったものです。

オーダーの転送にはソケット通信を使っていて、5台同時接続まで可能だったと思います。
メニューが数種類しかなかったので、メニューのカテゴリ分けとかがなく、非常にシンプルに作成してます。
eVBというのはあまり聞かないと思いますが、組み込みシステム向けのVB(embedded VB)になります。OSはWindows CEでした。

Excelファイルの集計ツール(Excel)

人事部向けに作成したもので、フォルダに保存された職階別の人事評価シート(Excel)をまとめて読み込んで、集計用シートでデータを確認するというものです。
運用としては、
①職階別 に入力用のひな型を作成。
②社員に配布して自己申告で記入。
③その後に上司がコメントを追記して人事に提出される。
④提出されたExcelブックをフォルダにまとめて保存。(同じ名前だと保存できないため、「社員番号-名前-ひな型名」といったネーミングルールで作成してもらうことになる。)
⑤ツールで一括して取込処理し、集計用シートに自己申告評価点と上司の評価点を出力。合計で総合評価してランク付けし、人事アプリへの投入用データを作成する。

ひな型は一般社員用、マネージャー用、等いくつかに分かれていて、ツールでExcelブックを開いてひな型のタイプをチェックして読み取り個所を調整するようになっている。
未提出や記入漏れがあった場合の再提出の連絡のための管理ツールとしても利用。
ひな型のレイアウトが変更されると正しい情報を読み取れなくなるため、ひな型はパスワードで編集ロックをかけて利用しました。

人事データのコンバートツール(Access)

オービック → COMPANY、独自システム → COMPANY
の2種類のデータコンバートツールを作成。
コンバートは基本的にツール利用開始時にしか行わないので使い捨てになってしまいますが、人事データですと異動日や昇格日など人事上の基準日にあたるものが多く含まれるため結構重要です。
移行対象システムが同じだと共通して使えるので、グループ会社では使い回しが可能かもしれません。

発注書自動作成ツール(VBScript+Excel)

基幹業務システム(ERP)から出力された発注データ(CSV)を読み込み、人の手を介さずに自動でExcelの発注書を作成するツール。
ツールの概要
①ツールの起動はサーバーのタスクで管理されていて、一定時間ごとに起動し、特定フォルダ内のCSVファイルを一括で読み込みます。
②読み込んだデータを基に、マスタと照合しながら発注書データを作成し、コピーしたExcelのひな型ファイルに出力します。
③作成した発注書は日付ごとにフォルダにまとめて出力。(同じ管理番号の発注書が存在した場合は上書き)
④データは1CSVにつき1件が基本。
⑤作業したCSVファイルは、作業済みのフォルダに移動する。
⑥マスタの保存先は、各種DB(ここではSQLサーバーを利用)、Excel等に設定。

作成対象の発注書は、本来基幹業務システム内で作成すべき帳票でしたが、開発が間に合わないということで一時的に業務を補うために依頼を受けて作成したツールです。そのまま定着してしまった感がありましたが。
他のツールからも起動できるようにと、簡単に修正ができるという点でVBScriptで作成しました。

出退勤時刻チェックツール(RPA+Excel +VBA )

クラウドの出退勤管理システムから社員の勤怠情報を取り出して入力に問題ないかチェックするツールです。
別途紙に刻印するタイプのタイムカードとのデータ照合を行うためツール。
ツールの概要
①タイムカードの刻印データを本体から取り出し、事前にExcelで加工。
②RPAで出退勤管理システムに管理者用アカウントでログインし、全社員の勤怠データを取り込んでExcelに出力する。
③RPAで取り込んだ 社員の日々の Excelのデータを順に処理する(出退勤管理システムとタイムカードとで照合を行う)。照合はVBAでの作業。
 ・入力日の間違い
 ・出勤/退勤時刻が正しく入力されているか(時刻は5分単位で切り上げ・切り捨て)
 ・どちらか一方にしか入力がない場合の処理
④問題が見つかった場合はセルに印をつける。(コメント+背景色の変更)
⑤全ての社員分を処理したら保存して終了。

入力がダブルシステムのためか結構間違いが多いらしく、事前のチェックが必須ということで作成依頼を受けたツール。
実際の修正作業は自動ではなく人が行うことになる ・・・ 各社員へ修正依頼。

学習塾向け授業状況報告ツール(Access)

小中学生を主なターゲットとした小規模な学習塾向けです。
塾生の親に当日の授業内容や生徒の状況・態度、といった極簡単なものを報告する安心ツールのようなものです。
ツールの概要
①講師はツールに自分のアカウントでログインする。
②ログインすると、その日に講師が受け持っているクラスが表示される。
③報告メールの作成はクラス別にまとめて担当講師が個別入力を行う。
④メールは生徒一人一人個別に発送。
⑤チェック内容は、 今日の授業の概要、 遅刻・出席状況、宿題の状況、授業の態度、他に気が付いたことなどのメモ。
⑥原則として当日中に発送する。
⑦講師が対応できなかった場合は塾長が代行して発送する。
⑧塾長はクラス一覧で送信の済/未送信が確認できる
⑨クラスは週単位で決まっていて、クラスの種類や授業を受けている塾生はマスタにて登録。臨時クラスについても都度登録可。
⑩塾生とその親、講師はマスタで管理できる。

もともと塾全体を管理できるように構想し作成したのですが、最終的に報告メールの部分のみになってしまったものです。
メールの一斉送信には「BASP21」コンポーネントを利用しました。